ポッドキャストをはじめよう Part 2
Appleの役割はどこまで?
前回は音源を作るところまでをまとめてみた。今、私の手元のMacbook Proのストレージには音源のmp3形式ファイルが保管されている。つまりは、世間デビューはしていない状態である。
Apple iTunesは、podcast用のエピソードを配信プラットフォームから世間に流すための番組表に掲載してくれる。ただし、その前に番組表の載せる上での必要データがあるか? と内容が倫理的な意味で流通させて大丈夫か? などを審査している(ようである)。
末尾を断定的に書かなかったのは、審査ガイドラインは開示されていないからである。従って、申請したら何日で結果通知が来ますよ、などの情報もここには書けない。
Appleの配信プラットフォームは、Mac OS 10.15 Catalina 以降(つまり2019年10月ころ以降)はPodcastアプリケーションに統一された。iOSとMac OSで操作がだいたい同じ感覚となった。それ以前のMac OSでは、iTunesアプリケーションが配信プラットホームである。
Appleの役割は上にあげた通りなので、ポッドキャスト製作者に要求されることが2つある。まず一つ目は音源データのmp3ファイルをホスティングする(保管しておく)サーバーを用意することである。第2点は、Appleの配信プラットフォームが求める形式での番組表のデータを準備することである。
音源(エピソード)をどこに置くか?
音源データは1つのエピソードが1つのmp3ファイルになるように作って、視聴者がアクセスできるサーバーに保管する。
勘違いしないように付け加えると、Appleから見えるように共有ドライブにおいた・・とかはダメである。Appleが中継して配信してくれる訳ではないので、世界中の視聴者が24時間いつでもアクセスできる一般のサーバー事業者さんのストレージに置いてもらうか、自分でレンタル・サーバーを持っても良いが、ずーっと稼働する状態に置いておくことである。
私の場合は、訳あって自分のドメインを作った”Squarespace”のサーバーをそのまま使った。有料サービスであるが、信頼性も応答速度も素晴らしいので満足できる。そのほかに有名なのは、Anchorというサービスである。例えばYoutube解説をみてみよう。https://www.youtube.com/watch?v=g0VSmfCtygs
実際、日本語のGoogle検索で「anchor podcast」を検索してみると詳細な紹介記事がふんだんにある。上のYouTubeをみていただくと分かるが、Google Play にも簡単に配信できるよ、と言っているので便利かもしれない。
番組表のデータを準備する
音源を作って、それをホスティングするサーバーも決まったら、Appleが配信プラットフォームで使う形式の番組表のためのデータを準備する。
Appleが番組表のために作って欲しいと思っているのは「RSS形式」のデータである。
と言っても、実際は、SquarespaceやAnchorなどのサービスにはRSS自動生成のためのツールが組み込まれているので、そのツールで必要な情報を書き込むだけである。ちなみに、Squarespaceではblogポスト形式でエピソードごとに記事を書いて、そのエディット作業の中で、一つのオプション・パネルにRSS情報を書き込むパネルが存在する。
番組全体のタイトル、オーサー、著作権表記、使用する言葉(日本語/英語/ほか)、配信時間、Appleの番組表に表示される画像のアップロードなどが一つのパネル操作で完了するので、実にすっきりしている。なお、Appleの要求仕様にある番組の画像は1400 x 1400ピクセル以上を推奨し、3000 x 3000ピクセル以下のjpegファイルとなっている。
RSSって何?(専門的なのでここは飛ばして大丈夫)
RSSは、データ配信(syndication)のためのメタタグを集めて階層的に書きおこし、そのサイトの内容や更新の有無を他のサービスから読み取り易くするための規約である。
まずどんな感じなの?と思われるかもしれないので、総務省のホームページのRSSの見本を引用する。http://www.soumu.go.jp/news.rdf
これを引用したのは、PDF形式のファイルなのでどんなブラウザからも見えると思うのと、分かり易い単純なRSSなので参考にさせていただいた。
RSS(今はRSS 2.0)のオフィシャルな規約が気になるのならW3Cを参照すると良い。https://validator.w3.org/feed/docs/rss2.html
RSSとは結局なんの略語なの?と思うかもしれない。上記のW3Cの仕様書では”Really Simple Syndication”になっているけど、周りのみんなは「りっちさいとさまりー」って呼んでるよ、という方も多いと思う。IETFからジャンプする次のページを読むと答えが書いてある。http://interglacial.com/rss/about.html
つまり好きな呼び方の方でいいよ!が答え。原文を引用すると「RSS stands for Rich Site Summary (or Really Simple Syndication, take your pick).」。いつか取り上げるが「名前には意味がない」という哲学的な議論もあることだし。どっちでも良いということである。
寄り道したけど・・
上の項目は読み飛ばして良いので、結局、音源データをホスティングしてくれるサービスの中で自動的に生成される「RSSのデータ」をAppleのサービス・インターフェースから登録するだけである。
具体的には、次の1行をAppleに通知するのがポッドキャスト製作者の役目である。http://your-web-site.com/podcast?format=rss
上の1行にスペースを入れず登録する。http:の代わりにhttps:の人はそちらを、”your-web-site”の箇所は自分のwebページの名称を、”/podcast”の場所は、自分が音源データを置いたサブディレクトリの任意の名前で良いので、”/home-2-sounds”とか、なんでもご自由に。
いよいよ登録!
ドキドキするが、登録してみよう。
Mac OS 10.15 より後の場合
まず、Mac OS 10.15.x Catalina 以降の場合は Podcastアプリケーションのメニューを開く。
ファイルメニューの中に[番組をURLで追加…]が現れるので、これをクリックしよう。
するとこんな感じの入力パネルが開くので、ここに http://your-web-site.com/podcast?format=rss という1行を入力する。
Mac OS 10.14.6 までの場合
Mac OS 10.14.16 Mojavaを使っている人もまだいるかもしれない(この記事を書いている今日は2019年10月22日)が、その場合はiTunesを起動する。
そうするとやや画面が暗いが、上記の右下の文字の塊の中に[Podcast を送信する]という選択が見えるだろうか。これをクリックすると、入力ページが現れるので、http://your-web-site.com/podcast?format=rss という1行を入力しよう
Apple からのメール到着!
上の登録手順がうまく行った場合は、iTunes Store から数分以内にはコンピューターの自動応答メールが届くと思う。文面は、「あなたの登録申請を審査に回しました」という内容の英文である。何かの手順間違いなどがあると、このメールが来ないので、20分も待ってみて自動応答メールが来ない場合は、上記の流れをもう一度再点検してみることをお勧めする。
ここまでで次は待ち状態・・・
次は、Appleの審査完了のメールを待つばかりである。。。